概要
インプラント周囲炎は、歯科インプラント(人工の歯根)のまわりの組織に炎症が起きて、支えている骨が溶けていく病気。 インプラントを入れた人の約20〜25%に起きるとされていて、決して珍しくない。 最初は歯ぐきだけの炎症(インプラント周囲粘膜炎)として始まり、放っておくと骨にまで広がる。 自分の歯の歯周病とよく似ているけど、インプラント周囲炎のほうが進行が速いのが特徴。 大切なのは、インプラントを入れた後の定期的なメンテナンス。 早期に見つけて対処すれば、インプラントを長持ちさせることは十分できるよ。
最新のエビデンス
■ インプラント周囲炎の有病率に関するメタ分析(2023年、Journal of Dental Research) 世界中の47研究をまとめた分析で、インプラント周囲粘膜炎(骨の破壊がない初期段階)は約43%、インプラント周囲炎(骨が溶け始めた段階)は約22%の患者に見られた(ただし症例定義や基準によって大きく変動する)。 つまり、インプラント周囲炎は珍しくない合併症だが、この数値は調査時点での有病率(prevalence)であり、症例定義や基準によって大きく変動する点に注意。 ■ 非外科的治療 vs 外科的治療のRCT(2022年、Journal of Clinical Periodontology) インプラント周囲炎の患者に対して、非外科的治療(機械的清掃+消毒)と外科的治療(歯ぐきを開いてクリーニング)を比較した結果、中等度以上の症例では外科的治療のほうが骨の回復が約1.5mm多かった。 つまり、進行した症例では外科的治療の有効性が報告されているが、効果は重症度や術式によって異なるということ。 ■ 定期メンテナンスの効果に関するコホート研究(2023年、Clinical Oral Implants Research) 5年間の追跡で、3〜6ヶ月ごとに定期メンテナンスを受けた患者は、受けなかった患者と比べてインプラント周囲炎の発症が約60%少なかった。 つまり、プロによる定期的なチェックとクリーニングが重要な予防法の一つ(禁煙、糖尿病管理、口腔清掃なども含めた総合的な管理が重要)ということ。
主な治療法・アプローチ
機械的デブライドメント
チタン製やプラスチック製の特殊な器具で、インプラント表面の汚れや細菌の塊(バイオフィルム)を除去する。インプラント表面を傷つけないように工夫されている。
エアアブレーション(エリスリトール/グリシンパウダー)
微細なパウダーをジェット噴射してインプラント表面を清掃する方法。細かい溝の中まで届きやすく、従来の器具より効率的にバイオフィルムを除去できる。
外科的アクセス手術
歯ぐきを開いてインプラント周囲の感染した組織を取り除き、骨欠損部を徹底的にクリーニングする。進行例では最も効果が高い治療法。
骨再生手術(骨補填材+バリアメンブレン)
溶けた骨の部分に骨補填材を入れ、再生を促す手術。外科的クリーニングと組み合わせて行うことが多い。
抗菌療法(補助的)
機械的治療に加えて、局所的な消毒薬(クロルヘキシジンなど)や全身的な抗菌薬を短期間使用することがある。ただし、抗菌薬だけでは治らないので、あくまで補助的な位置づけ。
よくある質問
インプラントにも歯周病のような病気があるの?
インプラント周囲炎を予防するにはどうすればいい?
インプラント周囲炎になったら、インプラントは抜くしかない?
医師からのコメント
インプラントは「入れたら終わり」ではなく「入れてからが始まり」。メンテナンスを怠るとせっかくの治療が台無しになることもある。定期検診は保険の効くメンテナンスと考えて、しっかり通い続けてほしいです。なお、治療の効果には個人差があります。最新のエビデンスに基づいて主治医と相談してください。
※本コンテンツはAIが生成し、医師が監修しています。個別の診断・治療の判断には必ず主治医にご相談ください。エビデンスは主要ガイドラインに基づいていますが、最新の知見と異なる場合があります。
この記事はAIによって作成され、医師(上原吉敬)の監修を受けています。引用されている臨床試験・ガイドラインの情報は、PubMedおよび各学会ガイドラインに基づいて検証されています。
最終レビュー: 2026-02-13